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指輪の秘密

 結婚指輪の起源は、古代ローマとされています。大プリニウス(23頃-79年)は、鉄の指輪を結婚の誓約の徴として贈ったことを記しています。鉄は力を象徴する金属。その指輪は、結びつきの強さと美しさを表すと考えられていました。当時の結婚は一種の契約と見なされ、その履行を誓約する徴として指輪が登場したのです。

 17世紀から、愛情に基づく結婚を象徴するために、婚約・結婚指輪にセンチメンタルな意味が込められるようになります。ロマンチックなモチーフや、手を握り合わせたフェデ ※1、宝石の頭文字で愛の言葉を表したリガーズ ※2、あるいは組み合わせるとひとつになるギメル ※3、さらに愛の言葉を刻んだポージー ※4といった様々なリングが登場します。

 最も硬く白く輝くダイヤモンドは、結婚の永続性と女性の純潔を象徴するものとして、ルネッサンスの頃から婚約指輪に用いられてきました。結婚指輪にも純潔を表す銀が金より好まれるようになりました。以降、19世紀の末以来、純白のウエディングドレスに合わせて着用された銀の結婚指輪に取って代わったプラチナが普及しました。変色せず、白い輝きはより強く、耐久性と永続性にも優れているため「天国の貴金属」と称賛され、20世紀に入ると永遠の愛を象徴するのに最もふさわしい貴金属となりました。

 また、婚約・結婚指輪は、最も早く日本に定着したジュエリーのひとつです。ダイヤモンドをより輝かせるために、技術のない時代には日本でも金に銀を張ったとされています。伝統的な白無垢に似合うのは純粋な白い貴金属。プラチナは、美的にも精神的にも結婚の現代的意味を象徴しています。

※1 フェデ
12世紀から18世紀にヨーロッパで流行した、両手でハートを抱いたデザイン。
イタリア語で「信頼」を意味する。
※2 リガーズ
Regards「尊愛、好意、愛情」の頭文字を持つ宝石を用いた指輪。リガードリングともいう。
ルビー(Ruby)、エメラルド(Emerald)、ガーネット(Garnet)、アメシスト(Amethyst)、ルビー(Ruby)、ダイヤモンド(Diamond)、サファイア(Sapphire)と並べるとRegardsになる。
※3 ギメル
2個の重ね指輪で、抱き合わせると1個の指輪となるデザイン。婚約と結婚の両指輪を組み合わせた指輪として用いられる。コンビネーションリングともいう。
※4 ポージー
13世紀から18世紀のイギリスで流行した文字を彫り込んだ結婚指輪。
リングの内側に、愛情表現の短い詩やメッセージを彫り込んだ。
フランス語の「詩」の意から発生した言葉です。
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